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発車時刻になるとパタパタパタ……減りつつある「反転フラップ式」の発車標

2021年8月31日(火) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

次の列車の発車時刻や行先を表示する「発車標」。現在はLEDや液晶ディスプレイが主流ですが、かつては「反転フラップ式」というものが広く使われていました。

反転フラップ式の発車標
反転フラップ式の発車標

反転フラップ式の他にも、「パタパタ」や「ソラリー」とも呼ばれるこの方式は、板をめくって表示を切り替えるもの。LED式の発車標が広まる前は反転フラップ式が広く使われていました。

しかしながら、反転フラップ式はLED式と異なり、板に書かれている内容しか表示できません。そのため、ダイヤ改正で新たな列車や行先が設定されると各駅の表示を改修する必要があったほか、ダイヤ乱れ時のみに運行する可能性のある表示でも事前に盛り込んでおく必要がありました。

さらに、スクロール表示ができるLED式などに対し、反転フラップ式は情報量に劣ります。こういった理由によって、反転フラップ式は次第にLED式や液晶ディスプレイへと置き換えられていきました。

現在、反転フラップ式の設置駅は往年に比べ減少しており、大手私鉄では京急、近鉄、阪急、南海の一部駅を残すのみ。地方私鉄でも設置駅はわずかとなっています。

反転フラップ式は海外でも広く使われていました。写真の台湾・台北駅のものは、2019年に撤去されています
反転フラップ式は海外でも広く使われていました。写真の台湾・台北駅のものは、2019年に撤去されています

動作中を見るのが楽しい、普段は使わない表示が見られる、音が独特、などとファンからの人気も高い反転フラップ式。設置駅は減少していますが、リニア・鉄道館では動作状態で展示。さらに京都鉄道博物館では自分で操作できる展示があるなど、博物館において懐かしいこの発車標を体験できます。

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