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相鉄が魅せた「顔だけ復刻劇」 4年ぶりによみがえった「赤い電車」

2023年7月22日(土) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

2023年6月18日、相鉄こと相模鉄道で、イベント列車「ミステリートレイン」が走りました。その専用車両(8000系8713編成)が姿を見せた瞬間、全国8713万人(適当)の相鉄ファンに衝撃が走りました。

先頭部が、昔の姿に復刻されている!

現在、相鉄車両のカラーリングは、「ネイビーブルー1色」「スカイブルーとオレンジのライン」の2種類があります。ですが、2000年代初頭までは、鋼製車両がライトグリーン、アルミ車両が赤色でデザインされており、現在の姿とはまったく異なるものでした。8000系もデビュー当時は、白などをベースに、運転席周辺や側面下部に赤いラインが入るスタイルでしたが、2014年に塗装変更が完了しています。さらに、旧7000系が引退したことで、2019年には相鉄から「赤い電車」そのものが姿を消していました。今回の復刻は先頭部のみですが、約4年ぶりの「赤い電車」の復活となります。

8713編成の復刻前の姿(左)と復刻後(右)。車両番号なども昔の配置に変更されています
8713編成の復刻前の姿(左)と復刻後(右)。車両番号なども昔の配置に変更されています

この復刻はミステリートレインのみのサプライズかと思いきや、翌日からはなんと一般の営業運転に登板。全国8713万人(適当)の相鉄ファンを再び驚かせました。8月下旬ごろまで、この姿で運用されるようです。

今回の復刻は、8000系の原型スタイル消滅を前にした記念企画。8000系は、2020年から外観の更新が進められており(一部は塗装変更も実施)、行先表示やヘッドライト類の位置が変更されています。最後まで原型スタイルで残った8713編成も更新の時期が近づいていることから、それに先立って先頭部のみデビュー当時の姿を再現したといいます。

復刻は先頭部のみにとどまったものの、視点によっては昔を思わせる姿を再現することができます。また、「赤い電車」だった頃には見られなかった、JRや東急の車両との顔合わせも実現。多くのファンが、それぞれの視点から「赤い電車」を楽しんでいるようです。

緑豊かな夏の弥生台をゆく復刻車両。このような角度で見ると、過去にタイムスリップしたような感を覚えます
緑豊かな夏の弥生台をゆく復刻車両。このような角度で見ると、過去にタイムスリップしたような感を覚えます

筆者は今春、「東急車両の直通で、相鉄に赤い電車が帰ってくるぞ!」とひそかに喜んでいましたが、まさか相鉄の車両で復活劇が見られるとは思いませんでした。相鉄が用意してくれたビッグサプライズから1か月。往年の姿を思い出せる「夢の一瞬」も、いよいよ後半戦です。

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