JRグループなどは19日、2015年春のダイヤ改正の概要を発表した。首都圏では「上野東京ライン」が開業し、直通列車の運行によりダイヤが大きく変わる。北陸新幹線金沢延伸に伴い、経営分離される並行在来線の第三セクター会社も、開業時のダイヤ概要を発表した。ダイヤ改正日、並行在来線の開業日は、2015年3月14日(土)。
関東エリアでは、宇都宮・高崎・常磐各線と東海道線を結ぶ新たなルートとして、「上野東京ライン」が開業する。宇都宮・高崎線は約7割の列車が東海道線に直通し、常磐線は約6割の列車が品川駅発着になる。常磐線方面では、成田線直通の列車も運転する。東海道線の快速「アクティー」は、宇都宮線に直通するなど、各線の快速列車も運転区間を変更。ただし、宇都宮・高崎線と東海道線の全区間を快速として走る最速達列車は設定しない。このほかの線区では、日中時間帯に南武線の快速が稲城長沼~立川間でも運転を始めるほか、京葉線快速が1時間あたり1本増発。埼京線の各駅停車の増発も行う。内房線を含む東京~館山間では、特別快速が平日に1往復新設。快速列車の停車駅では、常磐線特別快速の北千住駅、京浜東北線快速の神田駅、御徒町駅が加わる(御徒町駅は土休日のみ)。
北陸、信越エリアでは、北陸新幹線の長野~金沢間開業に伴い、同区間の並行在来線が各県の区間ごとに4つの第三セクター会社による運営に変わる。長野~妙高高原間は、しなの鉄道、妙高高原~直江津~市振間は、えちごトキめき鉄道、市振~倶利伽羅間は、あいの風とやま鉄道、倶利伽羅~金沢間は、IRいしかわ鉄道がそれぞれ運行する。旧北陸本線区間では、糸魚川~泊間、泊~富山間、富山~金沢間の3区間での運行を中心として、隣接する会社間で直通運転を実施。泊~金沢間では平日に5~6本の快速列車を運転する。泊駅では同一線路上に2列車を停車させ、乗り換えの利便性を図る。新潟~糸魚川間では485系による快速を1日1往復走らせる。旧信越本線区間では、しなの鉄道が小諸~妙高高原間の直通列車を運転する。なお、しなの鉄道~えちごトキめき鉄道間では直通運転を行わない。特急「はくたか」の運転が終了する北越急行では、新たな列車種別として、「超快速列車」を設定。列車名「スノーラビット」として、越後湯沢~直江津間を57~58分で1日1往復する。
このほか、広島地区にJR発足後初となる新型車両227系が導入され、山陽本線の糸崎~岩国間、呉線で運転を開始する。名古屋地区では、3月1日に電化する武豊線が夕ラッシュ時に増発する。また、同線で運用していた気動車キハ75形が太多線、高山本線へ転用され、太多線では定期列車から国鉄型の気動車が引退する。
鹿児島本線の快速「くまもとライナー」、花輪線の快速「八幡平」はともに普通列車に変更になる。北陸新幹線金沢開業に伴い、信越エリアの快速「くびき野」、快速・普通「妙高」は廃止に。郡山~会津若松間を結ぶ快速「あいづライナー」も、485系車両の老朽化に伴い廃止される。
在来線の新駅としては、奥羽本線の高擶~天童間に「天童南」駅、城端線の高岡~二塚間に「新高岡」駅、山陽本線の広島~横川間に「新白島」駅が開業する。新高岡駅は北陸新幹線、新白島駅は広島高速交通アストラムラインと接続する。また、北陸本線の寺井駅は、「能美根上」(のみねあがり)に駅名を変更する。