近畿日本鉄道は29日、三菱総合研究所、オムロン ソーシアルソリューションズ、chaintope、近鉄グループホールディングスと共同で、ブロックチェーン技術とQRコード活用したデジタル乗車券の実証実験を実施すると発表した。
実証実験は、企画乗車券のデジタル化や、地域活性化などを目指したもの。スマートフォンアプリでQRコード乗車券を発行し、自動改札機にかざすことより、通過時の日時記録や入出場可否判断などを実施する。これにより、乗車券をデジタル化した場合の利便性や業務効率化、コスト面や業務面の検証、ブロックチェーン技術を用いたチケット発行・管理システムなど技術面の検証を行う。
実証実験は、2月17日から23日にかけて実施。近鉄日本橋駅と近鉄八尾駅に実証実験用の自動改札機を設置し、参画各社の関係者約50人を対象に実施する。
ブロックチェーンは、取引記録をユーザーが共有し、各記録をチェーンのように繋ぐ暗号化技術。従来の中央集権的データ管理よりも耐改ざん性やコスト面で優れている。近鉄グループでは2017年以降、ブロックチェーン技術を活用した地域活性化への取り組みとして、デジタル地域通貨の実証実験を3回実施。2019年11月から2020年1月までの間には、ブロックチェーンを用いたデジタル地域通貨を期間限定で実用化した。
近鉄は、将来的な目標として、企画乗車券のデジタル化による販売チャネルの拡大、業務の効率化、デジタル地域通貨との連携やデータ分析による次世代型シームレスサービスの実現を掲げている。