阪神電気鉄道は16日、「赤胴車」を2020年度内に引退させ、1両を武庫川団地で保存すると発表した。
赤胴車は、1958年に登場した3301形・3501形を始めとする、急行用車両の愛称。上部がクリーム色、下部がバーミリオンに塗装されていることから名付けられた。
赤胴車のカラーリングは、1996年デビューの9000系まで引き継がれていたが、2001年デビューの9300系ではオレンジ基調のカラーリングを採用。従来車両もリニューアルにあわせて塗装を変更し、本線からは消滅した。現在は武庫川線用の2両編成4本のみの存在となっているが、こちらも2020年度内での引退が予定されている。
赤胴車の保存は、16日に発表した、阪神と都市再生機構(UR)の包括連携協定に盛り込まれたもの。協定は阪神沿線のUR賃貸住宅団地を中心とした地域活性化を目的としたもので、地域コミュニティ形成支援や健康増進・スポーツ促進など、沿線地域に資する取り組みを進めるとしている。このうちの具体策として、阪神が「赤胴車」をURへ譲渡し、武庫川団地内に設置することが掲げられている。
阪神は、武庫川線で活躍する赤胴車のうち、7990形と7890形のいずれか1両をURへ譲渡する予定。URは、2021年春を目処に武庫川団地内へ設置し、地域住民が交流するコミュニティスペースとして活用するとしている。