東急、首都高速道路、伊豆急行、首都高技術の4社は4日、伊豆急行線のトンネル検査に「鉄道版インフラドクター」を本格導入すると発表した。
インフラドクターは、レーザー計測器や高解像度カメラなどを搭載した自動車で設備を計測し、トンネルなどの設備の状況を把握できるシステム。インフラドクターの導入で、従来の目視点検の代替とすることが可能となり、設備検査の大幅な効率化が図れる。首都高速道路では、2017年よりこのシステムを本格運用し、道路の補修などに活用している。
鉄道版インフラドクターは、4社が2018年より共同開発を進めてきたもの。鉄道台車にインフラドクターの計測車両(トヨタ・エスティマ)を積載し、レールの形状やトンネルの内面形状、橋梁の上部形状、レール周辺の斜面、プラットフォームの形状などを計測する。伊豆急行では2018年9月に、東急では田園都市線で2019年1月に、それぞれ実証実験を実施。その結果、鉄道構造物においても詳細なデータの取得および適切な解析が可能であることを確認し、鉄道版インフラドクターの実用化を決定したとしている。
伊豆急行での鉄道版インフラドクターの本格運用開始時期は、2020年6月中旬。このシステムの導入で、従来の近接目視点検に相当する検査日数は約15日から3日と約2割に、検査費用は約6割に、それぞれ減少するという。