JR東海は26日(金)、昨年10月より進めていた新幹線700系車両の加速度を向上させる改良工事が完了したと発表した。
これまで700系は、東海道新幹線区間において、発車時などの低速域での加速度を1.6キロメートル毎時毎秒(1秒間あたり時速1.6キロメートルの加速)に制限して運行していた。これは、終端駅部等において停車する際、再度力行した時に速度が上がり過ぎないようにするための措置だったが、2006年3月の新ATC導入に伴い、終端駅部等とそれ以外の箇所を車上側で判別できるようになり、改良が可能となった。今後、終端駅部等では加速度をこれまで通り1.6キロメートル毎時毎秒、中間駅の発車時などでは2.0キロメートル毎時毎秒に向上させる。これにより、最高時速の270キロメートルに到達するまでの時間が300秒から285秒になり、約15秒短縮できる。
改良する編成数は、700系全編成とドクターイエロー923形1編成の合計61編成。工事費額は約2億円。
なお、最新のN700系の加速度は2.6キロメートル毎時毎秒と高く、時速270キロメートルまでの到達時間は約180秒となっている。