JR東日本は9日、上野~東京間で工事中の「東北縦貫線」を2015年春に開業し、同線を経由して直通するルートの愛称を「上野東京ライン」にすると発表した。
上野東京ラインは2015年春に開業し、東北縦貫線を経由して、宇都宮・高崎・常磐の各線と東海道本線との直通運転を行う。東北縦貫線の上野~東京間(約3.8キロ)には途中駅がなく、直通列車化により上野駅や東京駅での乗り換えが不要になることから、所要時間の短縮が見込まれている。
工事が進んでいる上野~東京間には、かつて回送線があり、1970年代初頭までは東北本線、高崎線、常磐線の列車が東京駅への直通運転を行っていた。しかし、東北新幹線敷設工事の用地確保のため、秋葉原~神田間付近の線路用地が充てられることになり、1973年に同区間の旅客列車の運転を中止。残った上野~秋葉原間は留置線に、東京駅側の線路は東海道本線の折り返し線に転用されていた。
東北縦貫線の計画が発表されたのは、「湘南新宿ライン」の運行が始まった翌年の2002年。上野~御徒町間など通勤時間帯の混雑を緩和するために計画された。当初の開業目標は2009年度中だったが、着工の遅れや東日本大震災などの影響で工期が延び、このたび最終的に2015年春の開業と決まった。同社では、具体的な運転計画や開業日は別途決定するとしている。