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大井川鐵道で「少し珍しいSL列車」が登場 日本唯一のレアな存在、いつまで運転?

2024年9月19日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

SLの運転で知られている大井川鐵道では、9月19日より、少し珍しい列車を運転します。

大井川鐵道のSL列車。2024年現在は、SL+客車+ELという組成で運転されています
大井川鐵道のSL列車。2024年現在は、SL+客車+ELという組成で運転されています

その列車とは、下りの普通列車「805列車」。金谷駅を16時27分に出発し、新金谷駅に16時32分に到着するという、たった1駅しか走らない列車です。これだけではただの普通列車のようですが、この列車は「SLがけん引する」という、珍しい形態となっています。

大井川鐵道の広報担当者によると、この列車は急行「ELかわね路」4号の折り返し列車を、一般旅客が利用できる営業列車として設定したということ。大井川本線の車両基地は新金谷駅にあり、金谷駅行きとして走ったELかわね路は、1駅分を回送する必要があります。その列車を営業列車としたことで、たった1駅だけの運転ながら、珍しい列車が走ることとなりました。

大井川鐵道のEL列車。2024年現在は終点の川根温泉笹間渡駅で機関車の付け替えができないため、「かわね路」号と「南アルプス」号の下り列車はSLけん引、上り列車はELけん引として運転されています
大井川鐵道のEL列車。2024年現在は終点の川根温泉笹間渡駅で機関車の付け替えができないため、「かわね路」号と「南アルプス」号の下り列車はSLけん引、上り列車はELけん引として運転されています

この805列車の編成は、当日のSL・EL急行「かわね路」号・「南アルプス」号と同じもので、千頭駅側からSL+客車+EL(電気機関車)という組成です。SL・EL急行では運賃のほかに急行料金が必要ですが、805列車は運賃のみで乗車可能です。

今回の大井川鐵道のみならず、現代のSL列車(SLが先頭となる列車)では、運賃のほかに急行料金や指定席料金が必要となることがほとんどです。また、料金不要の客車列車という存在自体も、真岡鐵道の「SLもおか」折り返し列車(DLけん引の6103列車)や、大井川鐵道が以前実施した「普通客レ」企画のようにわずかに存在しますが、今は貴重な存在です。なお、料金不要のSLけん引列車は、鉄道コムの調べでは、2024年現在は大井川鐵道の805列車が唯一となります。

805列車は、SL・EL急行と同じ日に走る列車。9月19日時点では、11月30日までの運転日が発表されています。大井川鐵道の広報担当者は、少なくとも2024年度内は、805列車がSL列車として走る形態を継続する予定だと説明しています。

 

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