JR西日本などでは、10月14日から26日までの間(22日を除く、いずれも始発駅基準)、東京~出雲市間の寝台特急「サンライズ出雲」を運休します。これは、JR西日本の後藤総合車両所内にて、8月29日、「サンライズ出雲」に使用する285系が他の車両に接触するトラブルがあったため。損傷した部分の修繕が必要となり、さらに車両運用のやりくりもあることから、運休する必要が出てきてしまいました。
285系は5本存在し、うち4本が普段の列車運行に使われ、1本は予備という運用です。そのため、8月末のトラブルで1本が離脱した後も、残りの4本で通常通りの運用が続けられてきました。しかしながら、安全な運行を続けるには、定期的なメンテナンスの実施が不可欠。JR西日本によると、今回他の編成の検査タイミングが来たことから、やむなく運休に至ったということです。
今回の運休が発表された際、SNSでは、「なぜ『サンライズ瀬戸』ではなく『サンライズ出雲』が運休なのか」といった声が見られました。「サンライズ出雲」に使われる285系は、東京~高松・琴平間を走る「サンライズ瀬戸」と共通の運用が組まれています。とすると、今回運休が発表された「サンライズ出雲」だけでなく、「サンライズ瀬戸」運休が出てもおかしくありません。この点をJR西日本に質問すると、「車両運用の都合」とのこと。同社の広報担当者は、車両の定期メンテナンスや走行距離管理などを勘案した結果では、と話しています。
また、SNSでは「運休期間中は285系の検査は大丈夫なのか」といった意見も挙がりました。285系は後藤総合車両所出雲支所に常駐し、同支所で普段の検査(大規模な「重要部検査」「全般検査」は後藤総合車両所本所で施行)を受けています。「サンライズ出雲」の運休期間中、285系が出雲支所に戻れないため、この検査は問題ないのか、という疑問のようです。この点についてJR西日本は、普段実施している検査は基本的に在姿検査(機器などの状態を外から確認する目視検査)のため、場所は所属区以外でも問題ないとしています。
運休の対象となる「サンライズ出雲」は、下り列車(東京駅発)が10月15日~20日、24日、26日、上り列車(出雲市駅発)が10月14日~19日、23日、25日(いずれも始発駅基準)。JR西日本などは、修繕の進捗状況により、運転を取りやめる日が追加となる場合には、わかり次第発表するとしています。