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今では貴重な「客車」も! 鉄道工事の技術を紹介する施設が2日間限定で土日に公開

2024年10月18日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

技研製作所は、10月26日と27日に、「RED HILL 1967」を「自由見学Day」として開放すると発表しました。

50系客車が置かれている「RED HILL 1967」(画像:技研製作所)
50系客車が置かれている「RED HILL 1967」(画像:技研製作所)

技研製作所は、高知に本拠地を置く機械メーカー。「圧入」という工事施工技術を開発し、その関連製品を販売しています。

圧入とは、工事現場で杭を打ち込むための技術です。従来工法では、打ち込み時の騒音や、機械の大型化といった課題があったといいます。一方、圧入では、事前に別の杭や矢板を地面に埋め込んでおき、杭を打ち込む際に事前に埋めておいたものを同時に抜くことで、その引抜抵抗力を反力として埋設に活用するのだそう。これにより、埋設時の公害抑制や、埋設機械の小型化を実現できたといいます。

その圧入技術を紹介するために同社が整備したのが、高知県香南市にある「RED HILL 1967」。杭打ち機をテーマとしたミュージアムや、実際の施工現場を再現した展示などが設けられています。普段は事前予約制で平日に限り見学を受け付けているのですが、今回は土日の限定公開となります。

鉄道ファンとして注目したいのが、その再現展示で活用されている車両。四国では1992年に定期運用を終了した50系客車が、この施設に置かれているのです。

50系客車は、1977年にデビューした、国鉄型の一般型客車。それまでに製造された、いわゆる「旧型客車」を置き換えるために開発されたのですが、当時は客車列車の電車化・気動車化が進んでいる最中。約950両が製造された50系客車は、その大部分が比較的短命に終わってしまいました。

すでに一般列車の運用から退いて久しい50系客車ですが、SL列車などでは今も活躍中です。画像は、50系客車を使用している、真岡鐵道の「SLもおか」
すでに一般列車の運用から退いて久しい50系客車ですが、SL列車などでは今も活躍中です。画像は、50系客車を使用している、真岡鐵道の「SLもおか」

この施設で展示されている50系客車は、JR四国で活躍していたオハフ50-189。現役当時は同形式の標準塗装だった赤色で走っていたのですが、この施設ではクリーム地に水色の、JR四国カラーで展示されています。キハ40形などのディーゼルカーで見られるこの塗装ですが、50系客車では現役当時にこの塗装をまとっていた車両は存在していません。つまりは架空の塗装なのですが、意外と似合っているとの声もSNSなどで見られます。

50系客車が展示されているのは、「デッドスペース活用工法(鉄道近接)」を紹介するもの。線路周辺で工事を進める際には、列車の運行に影響が出ないよう、細心の注意を払う必要があります。この展示では、技研製作所の圧入技術を活用した線路近接工事を再現し、狭い空間でも安全に工事が進められるという技術が紹介されています。

線路周辺での施工のイメージ(画像:技研製作所)
線路周辺での施工のイメージ(画像:技研製作所)

RED HILL 1967の自由見学Dayは、10月26日、27日の各日10時から16時までの開催。最終入場は15時30分です。

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