一週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題を取り上げるこの連載。今回はまず、首都圏のワンマン運転導入に向けた動きをご紹介しましょう。
JR東日本は11月6日、首都圏の主要線区におけるワンマン運転の導入について発表しました。まずは2025年春、常磐線各駅停車と南武線で導入。2026年春には横浜線(根岸線直通区間含む)でも導入するほか、2030年頃までに、山手線、京浜東北・根岸線、中央・総武線各駅停車、埼京・川越線(大崎~羽沢横浜国大間含む)でも、ワンマン運転を開始するとしています。
また、京王電鉄も同日、ワンマン運転の導入に向け、自動運転の実証実験を2025年春より実施すると発表しました。対象は京王井の頭線ですが、今後は京王線でも、自動運転の導入によるワンマン運転化を目指していく予定です。
2024年現在、首都圏の大手私鉄9社の中では、京急と小田急、相鉄を除く6社が、ワンマン運転を実施しています。一方で、実施している各社でも、その多くは支線や郊外区間などが対象となっており、都市部の長編成でワンマン運転を実施しているのは、東急(東横線・目黒線・東急新横浜線)、東京メトロ(副都心線、有楽町線、南北線など)のみです。とはいえ、現在は、鉄道員のなり手の減少や、働き方改革が求められているという状況。そのような中で、今後もワンマン運転導入の動きは広まっていくのかもしれません。
もう一つご紹介するのは、8日に西武線に現れた朱色の車両。車両検査工場から出場した4000系4017編成が、元の「ライオンズカラー」から謎の塗装へと変更されており、話題となりました。
この車両は、「西武秩父線開通55周年記念車両」。西武が同日にプレスリリースを発表したもので、かつて西武秩父線で貨物列車をけん引していた電気機関車、E851形を模したデザインとして運転するといいます。
今は旅客列車しか走らない西武秩父線ですが、かつては秩父方面からのセメントを運ぶ貨物列車も運転されていました。E851形は、この貨物列車をけん引するために開発された車両で、私鉄では最大級のサイズと性能をほこっていました。同形式は残念ながらすべて引退していますが、今も1両が、秩父エリアの横瀬駅で保存されています。