JRの特急列車(新幹線を含む)といえば、特急料金が必要な最上位の種別です。一方で、私鉄の特急列車では、JR同様に運賃以外の料金が必要なものがある一方、運賃だけで乗車できるものもあります。
別料金が必要な特急
すべての定期特急列車で別料金を必要としている大手私鉄は、東武鉄道、西武鉄道、小田急電鉄、東京メトロ、近畿日本鉄道の5社。他社からの乗り入れのみとなっている東京メトロを除けば、「スペーシア X」や「ラビュー」に「ロマンスカー」、「ひのとり」などと、各社を代表する列車がそろっています。

料金不要! 運賃だけで乗れる特急
一方で、すべての特急が別料金不要で乗車できる大手私鉄は、東急電鉄、京王電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道、西日本鉄道の8社。いずれも急行や快速といった優等種別の上位にあたる一般列車として運転しており、中には特急より上の快速特急などを設定している会社もあります。

紛らわしい!? 別料金が必要な特急と不要な特急が混在する会社
この会社の特急は別料金が必要で、この会社では不要……と、各社ではっきりとわけられればわかりやすいのですが、一部の会社では、両者が混在しています。
京成電鉄では、一般型車両を使う特急(および快速特急、アクセス特急)は、運賃のみで乗車できる種別です。一方、都心と成田空港を結ぶ「スカイライナー」や、朝・夕夜間に走る「モーニングライナー」「イブニングライナー」は、別料金が不要な特急です。なお、同社では特急券をもっぱら「ライナー券」と呼んでおり、「スカイライナー」なども「特急」と呼ぶことはあまりありません。

名古屋鉄道では、特急や快速特急の一部に「特別車」を連結しており、乗車するには特別車両券「ミューチケット」を購入する必要があります。これだけ見ると、首都圏JR線のグリーン車のような立ち位置です。ただし、同社が中部国際空港(セントレア)のアクセス列車として運転している「ミュースカイ」は、全車が特別車。この種別だけは、別料金が必要な列車です。

南海電気鉄道では、本線の特急「サザン」と、高野線の観光列車(特急扱い)「天空」に、名鉄の特急・快速特急と同様、有料の指定席と、別料金不要の自由席を連結しています。その他の「ラピート」や「こうや」「りんかん」「泉北ライナー」は、全車が指定席で、別料金が必要です。
このほか、特急列車に該当するかは判断がわかれる種別ですが、近年各社で増えているライナー列車も、料金が必要な有料列車。これを特急扱いとするのであれば、「ウィング号」を運転する京浜急行電鉄や、「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」を運転する京王電鉄、「ライナー」を運転する京阪電気鉄道も、こちらのグループに当てはまります。
