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ついに引退「青胴車」 65年の歴史を飾った「10種類の電車」たち

2025年1月3日(金) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

「速達列車は赤系」「各駅停車は青系」と、運用する車両の色を分けている阪神電車。1990年代中頃まで、青系の各駅停車では、上半身がクリーム色、下半身が青色(ウルトラマリンブルー)のツートンが定番。速達列車の「赤胴車」に対し、「青胴車」と呼ばれました。

最終的に10形式の陣容となった青胴車ですが、世代交代の結果、2025年2月、引退を迎えます。これをしのんで、歴代の青胴車を、軽くおさらいしてみたいと思います。

いよいよ引退を迎える阪神の「青胴車」。5001形5025編成が、最後の1本となりました
いよいよ引退を迎える阪神の「青胴車」。5001形5025編成が、最後の1本となりました

伝統を確立した第1世代 初代5001形・5101形・5201形・5231形・5151形

各駅停車の車両が色分けされたのは、速達列車系の車両と性能が異なるため。その嚆矢となったのが、1958年に登場した初代5001形。加減速性能の高さから「ジェットカー」と呼ばれました。青胴車のカラーは、翌年に登場した5101形で初採用。5001形は最初、クリーム色と緑色のツートンでしたが、のちに青胴車カラーとなりました。

形式は、片運転台、両運転台の形態、増結用など用途の有無などで分かれていました。5201形の2両はステンレス車体で製造され、「ジェットシルバー」の異名をとりました。また、1964年に2両が製造された5151形は、電機子チョッパ制御の試験車両に選ばれ、制御装置の交換を受けています。それとともに、この世代のグループで唯一の冷房化改造を受け、阪神・淡路大震災で被災し廃車となるまで使用されました。

昇圧とともに次の世代へ 5261形・5311形

1967年、阪神各線の架線電圧が昇圧され、同年に青胴車の増備車として5261形が落成。翌年には増結用の役割を持たせた5311形がデビューしました。さらに1970年には、5261形で最初の冷房車が4両登場。しかし、その後冷房車はなかなか出ず、1977年までの7年間、これが青胴車唯一の冷房車でした。5311形は2両が2010年まで残り、行先表示にサボを使う最後の車両として、その末期は注目を集めました。

2010年に引退した5311形。2両ユニット、行先表示にサボを使うなど、昔の青胴車の雰囲気を色濃く残す車両でした
2010年に引退した5311形。2両ユニット、行先表示にサボを使うなど、昔の青胴車の雰囲気を色濃く残す車両でした

スタイルを変えて平成、令和の時代へ 5001形(2代目)・5131形・5331形

現在も在籍する2代目5001形は、1977年に登場。青胴車の冷房化を進めるべく、第1世代の車両を置き換えました。1981年には、5231形の機器を流用した5131形と5331形も落成。これにより、阪神の全車両が冷房車となりました。

「会社違いの青胴車」が並んだ瞬間。山陽電車の復刻塗装車(クリームイエローとネイビーブルー)と、阪神5001形の出逢い
「会社違いの青胴車」が並んだ瞬間。山陽電車の復刻塗装車(クリームイエローとネイビーブルー)と、阪神5001形の出逢い

阪神の各駅停車は2両や3両で走ることもあり、青胴車の多くは2両編成で製造されました。1987年、各駅停車の4両編成統一を機に、これら3形式は4両固定編成へ改造。あわせて行先表示幕が追加され、現在の姿になっています。廃車は機器流用車の5131形・5331形から始まり、2代目5001形が、青胴車最後の生き残りとなっています。

長く続いた伝統も、世代交代には勝てません。時代の流れで仕方ないことですが、消える寂しさはやはり、大きいものです。約65年間続いた「青胴車」の伝統にカギをかけ、青い阪神電車は新たな時代へ進みます。

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