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中央線グリーン車導入の代わりに2つの特急が廃止に グリーン車と特急列車の違いとは?

2025年3月17日(月) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR東日本は、3月15日のダイヤ改正にあわせ、中央線快速電車や青梅線で、一般列車のグリーン車サービスの提供を開始しました。

グリーン車と特急列車の違いとは?
グリーン車と特急列車の違いとは?

これまで東海道線や横須賀・総武快速線、宇都宮・高崎線、常磐線などで提供されてきた普通列車グリーン車のサービスですが、東京から5方面に伸びるJR主要路線のうち、中央線だけが対象外でした。今回のサービス開始で、ようやく中央線沿線でも、普通列車グリーン車が本格的に利用できるようになりました。

その一方で、これまで東京~八王子・青梅間で通勤時間帯に運転されてきた特急「はちおうじ」「おうめ」は、ダイヤ改正で運転取りやめとなりました。JR東日本では廃止理由について、中央線快速などでグリーン車サービスの提供を開始するためだと説明しています。

中央線快速などに導入するグリーン車は、他の車両よりも上位のクラスという立ち位置です。電車に乗るための運賃に加え、普通列車グリーン車用のグリーン券(Suicaグリーン券含む)の購入が必要となっています。Suica利用時のグリーン料金は、50キロ以内(東京~八王子間、新宿~八王子・青梅間など)750円、51キロ以上100キロ以内(東京~高尾・青梅間など)1000円など。紙のきっぷを利用する場合は別の料金が適用されます。

廃止された「はちおうじ」「おうめ」は、全席指定の有料特急。運賃以外の別料金(こちらは特急券)が必要という点は、快速電車のグリーン車と同じです。特急券を乗車前に購入した場合の普通車指定席特急料金は、50キロ以内が760円、51キロ以上100キロ以内が1020円など。快速電車のグリーン車と比較すると、10~20円の差ですが、グリーン料金の方が安くなっています。

ただし、ネット予約サービス「えきねっと」でチケットレス特急券を購入した場合は、通常料金から100円引きの割引が適用されていたため、グリーン車の方が割高という結果に。「はちおうじ」「おうめ」は廃止されましたが、中央線では他にも「あずさ」「かいじ」が運転されているので、グリーン車よりも割安、かつ(列車によっては)先発の快速より早く到着する特急が存在することになります。

また、快速電車のグリーン車は自由席で、「はちおうじ」「おうめ」は指定席という違いも。快速電車のグリーン車では座席を指定することはできず、途中駅から乗車した場合に座れるか否かは運次第となることもあるため、この点ではマイナスです。

とはいえ、一日数本かつ平日のみの運転だった「はちおうじ」「おうめ」と比べると、グリーン車は東京方面直通の全快速電車に連結されているため、乗車機会は格段に増加します。帰宅時間帯のように列車を選べるのであれば、混んでいても次の列車を待つ、という選択肢が取れるようになります。加えて、国立駅や福生駅などの特急列車が停車しない駅でも、追加料金を払って快適な移動空間を得ることが可能となっています。

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