東海道・山陽新幹線の「のぞみ」や、東北新幹線の「はやぶさ」などには、普通車よりも上のクラスの車両として、「グリーン車」が連結されています。
普通車よりも上の座席クラスとなるグリーン車は、普通車よりも豪華な座席が設置されています。新幹線普通車の一般的な座席は横に2-3列という配置ですが、グリーン車は横に2-2列の配置。座席が1列分少ないため、1席あたりの座席幅も広くなっています。なお、山形・秋田新幹線「つばさ」「こまち」の車両では、グリーン車も普通車も同じ2-2列配置ですが、それでもグリーン車の座席幅は普通車よりもわずかに広めです。
もちろん、座席の前後間隔も広め。たとえば東海道・山陽新幹線のN700系の場合、普通車は1040ミリが基本ですが、グリーン車は1160ミリとなっています。数字上はわずか120ミリ=12センチと思われるかもしれませんが、実際に座ると、かなり感覚が異なります。座席自体も重厚感があり、足置き(フットレスト)も設置されています。
座席のコンセントでも違いがあります。現在の新幹線ではほとんどの形式で座席コンセントが設置されていますが、古い車両では一部座席のみの設置というものも。そんな形式でも、グリーン車は全席にコンセントが設置されています(東北新幹線の一部列車(E2系による運用)を除く)。普通車では通路側に座るとコンセントが使えないことがありますが、グリーン車はその心配はほぼ無用です。
このほか、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」「ひかり」では、車内アテンダントによるおしぼりのサービスが。加えて、両列車(一部を除く)では、グリーン車限定で車内販売サービス(東海道新幹線はモバイルオーダーサービス)も提供されています。コーヒーやお酒、おつまみ、お土産といった一般的なラインナップが中心ですが、その中には「シンカンセンスゴイカタイアイス」ことスジャータのプレミアムアイスクリームも。今では駅ホームの自販機でも購入できる商品ですが、自販機では保存方法が異なるため、カチカチの状態は楽しめません。「スゴイカタイ」を車内で楽しめるのは、グリーン車の特権です。また、東海道新幹線の車内販売では、大人気のウイスキー「山崎」、それもノンエイジではなく「山崎12年」のミニチュア瓶が販売されています。
昔から新幹線の上級クラスとしてサービスが提供されてきたグリーン車ですが、現在のJR東日本では、グリーン車以上のクラス「グランクラス」が提供されています。飛行機で例えると、グリーン車はビジネスクラスで、グランクラスはファーストクラス。座席のつくりは全く別物で、アテンダントつきの列車では軽食やドリンク提供というサービスもあります。かつてはグリーン車でもコーヒーなどのドリンクサービスが提供されていたのですが、今では残念ながらサービスが簡素化されつつあります。