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珍しい「2回もスイッチバック」の特急が3月改正で消滅へ 本州と四国を結ぶ優等列車、その変更の理由とは

2024年12月21日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR四国では、2025年3月15日に実施するダイヤ改正で、特急「うずしお」の岡山駅乗り入れを廃止します。

「うずしお」は、主に高松~徳島間を走る高徳線の特急。2024年3月改正のダイヤでは、下り17本、上り16本が運転されており、そのうち上下各2本が岡山駅に乗り入れる列車となっています。

岡山駅行きの特急「うずしお」(前3両)。後ろ4両は高知方面の特急「南風」で、両列車は岡山~宇多津間で併結運転しています
岡山駅行きの特急「うずしお」(前3両)。後ろ4両は高知方面の特急「南風」で、両列車は岡山~宇多津間で併結運転しています

岡山駅発着の「うずしお」は、岡山~宇多津間で、高知方面に向かう特急「南風」と連結しています。そのため、岡山発の「うずしお」は、「南風」を切り離す宇多津駅で一度スイッチバック(方向転換)し、さらに高松駅でもスイッチバックするという、2回も方向転換がある珍しい特急となっています。方向転換がある特急は他にも存在しますが、定期特急列車で2回も向きが変わるのは、この「うずしお」が唯一です。

岡山駅発の「うずしお」の運転経路(青線)。宇多津駅で「南風」(赤線)と連結を切り離した後にスイッチバックし、高松駅で再度スイッチバックしています
岡山駅発の「うずしお」の運転経路(青線)。宇多津駅で「南風」(赤線)と連結を切り離した後にスイッチバックし、高松駅で再度スイッチバックしています

JR四国の広報部に、この運転取りやめについての理由を聞きました。同社の広報担当者は、今回の改正における減便は、人手不足の影響があると説明しています。その結果、これまでのように利用が少ない時間帯・区間の普通列車だけでなく、特急列車や通勤・通学時間帯の列車も本数を減らさざるを得ないと、厳しい状況を話していました。

また、「うずしお」の岡山駅乗り入れが運転取りやめの対象に選ばれた理由としては、快速「マリンライナー」の存在を挙げています。「マリンライナー」は岡山~高松間を走る列車で、岡山駅発着の「うずしお」と走行区間がほぼ被っています。担当者は、「高徳線からの直通で利用されるお客様にはご不便をおかけしますが、『マリンライナー』で代替可能と判断しました」と説明しています。

なお、ダイヤ改正で岡山駅発着がなくなる「うずしお」ですが、この改正では各時間の発車時間をおおむね統一する「パターンダイヤ」が導入されます。これまでも高徳線の普通列車では導入されていたパターンダイヤですが、「うずしお」では岡山駅発着列車などで時刻が統一されていないものがありました。岡山直通こそなくなりますが、高徳線区間においては以前よりも利便性が向上する改正内容と言えそうです。

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