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首都圏を走る「名物貨物列車」今後どうなる? 今週一週間の鉄道ニュース

2024年12月22日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

一週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介するこの連載。今回はまず、亜鉛メーカーに関する話題を取り上げます。

非鉄金属メーカーの東邦亜鉛は12月18日、事業再生計画を発表しました。不採算事業の見直しなどが盛り込まれており、祖業である亜鉛の精錬からは撤退することとなりました。これにより、福島県の小名浜精錬所と、群馬県の安中精錬所では、亜鉛精錬の設備が停止することとなります。

業界にとって大きなニュースだったこの発表ですが、鉄道ファンの間でも話題を呼びました。首都圏を走る「名物貨物列車」の去就が注目されたのです。

名物貨物列車の「安中貨物」。小名浜~安中間で運転されている、東邦亜鉛の貨物を運ぶ列車です(画像:写真AC)
名物貨物列車の「安中貨物」。小名浜~安中間で運転されている、東邦亜鉛の貨物を運ぶ列車です(画像:写真AC)

その名物貨物列車とは、福島臨海鉄道の小名浜駅と信越本線の安中駅を結ぶ、通称「安中貨物」。東邦亜鉛の小名浜精錬所と安中精錬所の間で亜鉛の原料などを運ぶために運転されている貨物列車です。この貨物列車では、専用の赤茶色に塗られた貨車が使用されており、他の列車とは見た目が異なります。

東邦亜鉛の貨物を運ぶ「安中貨物」の運転区間。小名浜駅から泉駅、常磐線、武蔵野線、高崎線、信越本線を経由し、安中駅に向かいます

けん引する機関車もユニークで、現在の使用車両は、主に東北方面で使われるEH500形。高崎線の貨物列車は他の形式が主力で、EH500形が使われる列車はごくわずかです。また、この列車はJR貨物が運行する貨物列車ですが、かつてはJR東日本の電気機関車が使われていた時期もありました。

小名浜と安中の両精錬所で精錬設備が停止するのは、2024年度末とのこと。これが停止してしまえば安中貨物が走る必要性がなくなるため、その先行きを不安視する声が、SNS上では多く見られています。

もう一つご紹介するのは、北海道を走るトロッコ列車のニュース。JR北海道は18日、2025年度をもって、現行「ノロッコ号」車両の運転を終了すると発表しました。

JR北海道の「流氷ノロッコ号」。「くしろ湿原ノロッコ号」用の編成を用い、冬に運転されている列車です(首無唐揚さんの鉄道コム投稿写真)
JR北海道の「流氷ノロッコ号」。「くしろ湿原ノロッコ号」用の編成を用い、冬に運転されている列車です(首無唐揚さんの鉄道コム投稿写真)

ノロッコ号の名前の由来は、「ノロノロ」走る「トロッコ列車」。2024年現在は、道東の「くしろ湿原ノロッコ号」、道央の「富良野・美瑛ノロッコ号」と、それらの派生列車が運転されています。開放的な展望車が特徴的なこの列車ですが、客車、そしてけん引する機関車の老朽化が進んでいることから、JR北海道は運転終了を決めたとしています。

同社では、ノロッコ号と同じエリアなどで、新たな観光列車「赤い星」「青い星」の運転を2025年度に始める予定です。この新たな観光列車が、ノロッコ号の代替となるのでしょうか。

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