JR西日本は1月17日、2025年春季に設定する臨時列車として、特急「いにしへ」を運転すると発表しました。
「いにしへ」は、京都駅と奈良駅を奈良線経由で結ぶ特急列車。4月19日、20日、5月17日、18日の計4日間、1日1往復が運転されます。途中停車駅は宇治駅のみ。使用車両は、「くろしお」などに使われている289系3両編成で、全車指定席での運転です。
京都~奈良間では、JRの奈良線と、近畿日本鉄道の京都線が競合関係にあります。近鉄では京都駅と奈良方面を結ぶ特急列車が多く運転されているのに対し、JRの主な優等列車は「みやこ路快速」で、特急の運転はありません。
ただし、奈良線では1980年代後半に、臨時特急「しらはま」が運転されていました。この列車は、京都駅と白浜駅を、奈良線や阪和貨物線(八尾~杉本町間、現在は廃止)などを経由して走った列車。今回の「いにしへ」と同様、奈良線内の途中停車駅は宇治駅のみという設定でした。JR西日本では、奈良線での特急の運転は約35年ぶりだと説明しています。
奈良へ向かう特急列車としては、JR西日本は大阪~奈良間を結ぶ特急「まほろば」を運転中。これまでは臨時列車としての運転でしたが、2025年3月15日のダイヤ改正以降は、土休日運転の定期列車に格上げとなり、4月5日以降は専用のリニューアル車も投入されます。対する近鉄では、大阪難波~近鉄奈良~京都間で、観光特急「あをによし」を2022年より運転中。奈良へ向かう特急列車が、近年盛り上がりを見せています。