JR東日本の南武線では、川崎駅や武蔵小杉駅、登戸駅などで、発車メロディに「ご当地メロディ」が使われています。しかし、これらのメロディは、3月14日までに使用を終了することになるようです。

これまでの南武線では、駅のホームに設置されたスイッチを車掌が操作し、各駅で発車メロディを鳴らしていました。その南武線では、ダイヤ改正にあわせて、ワンマン運転が導入される予定。JR東日本 横浜支社によると、ワンマン運転の導入後は、車両に設置したスピーカーから発車メロディを流す形に変更するといいます。この車載メロディは、従来の各駅別メロディのようにバリエーションがあるわけではないため、これまでのように各駅で異なっていた発車メロディが流れる機会はなくなってしまいます。
鉄道コム調べにでは、南武線では2025年2月現在、川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵中原駅、武蔵溝ノ口駅、宿河原駅、登戸駅、稲田堤駅、矢野口駅で、ご当地メロディが使われています。
川崎駅の使用曲は「川崎市歌」。武蔵溝ノ口駅では、平原綾香さんが近隣の大学に通っていたことから、「Jupiter」が使われています。宿河原駅と登戸駅では、藤子・F・不二雄さんが近隣に住んでいたことなどから、彼が原作を手がけたアニメ作品の楽曲(ドラえもんなど)が発車メロディに採用されました。
このように、各駅で特徴あるメロディが使われていましたが、南武線のご当地メロディは、他の駅の通常のメロディともども、ワンマン化でお役御免となってしまいます。
なお、横浜支社管内では、根岸線の関内駅で横浜ベイスターズの応援歌が使われているように、南武線以外でもご当地メロディが存在しています。横浜支社の広報担当者に聞くと、他の駅のご当地メロディについては、「今すぐに消滅するというものではないが、一概にはいえない」という回答でした。横浜支社を含むJR東日本の首都圏各駅では、横浜駅を皮切りに、発車メロディの新曲への変更が進められています。今回の南武線ではワンマン化による消滅でしたが、発車メロディを取り巻く環境が大きく変化している今、他の駅のご当地メロディに関しても、安泰とはいえない状況となっているようです。