日本国内の貨物列車は、ほとんどが機関車が貨車を引っ張るスタイルとなっています。しかしながら、東海道本線ではこの例外となる貨物電車「スーパーレールカーゴ」が運転されています。
スーパーレールカーゴは、2004年に運転を開始した貨物電車。M250系16両編成によって運転され、東京側の東京貨物ターミナル駅と、大阪側の安治川口駅を、下りは6時間12分、上りは6時間11分で結んでいます。列車は佐川急便の貸し切りで、積載するコンテナはすべてSGホールディングス塗装となっています。
この列車の特徴は、機関車がコンテナ貨車をけん引するのではなく、自走できる車両にコンテナを積載する「電車」となっていること。電車とすることで車両性能を高め、従来の機関車けん引列車では最高時速110キロのところを、スーパーレールカーゴでは最高時速130キロと、旅客特急電車並みの高速化を実現しています。
M250系は、編成両端の各2両がモーター車となっており、モーター車には31フィート(約9400ミリ)コンテナ1個、モーター非搭載車には同コンテナ2個、編成全体ではコンテナ28個を積載可能。最大(26両編成時)で31ftコンテナを52個積載可能なコンテナ貨物列車には劣りますが、それでも大型トラック28台分の荷物を一度に運ぶことができます。
スーパーレールカーゴは、走行時間帯が深夜・早朝のため、普段見ることは難しい列車ではありますが、東京~大阪間の輸送を担う重要な列車として、人知れず夜の東海道本線を駆けています。
スーパーレールカーゴの運転時刻(2021年現在)
- 第51列車
- 東京貨物ターミナル(23:14発)~安治川口(翌5:26着)
- 日曜発は運休
- 第50列車
- 安治川口(23:09発)~東京貨物ターミナル(翌5:20着)
- 日曜発は運休