西武池袋線の起点である池袋駅では、4面の一般列車用ホームに加えて、特急用ホームが設けられています。この特急用ホームでは時折、特急列車と一般列車の縦列停車という、珍しい光景が見られます。
池袋駅の特急用ホームと一般列車用の7番線ホームは、長い同じ線路を共有しています。そのため、特急列車が到着後の車内整備を実施している間、7番線を一般列車が発着することで、効率を高めています。特急ホームと7番線ホームは、信号システム上では区分されており、特急ホームの出発信号機は7番線のホーム上に設置されています。
同じような行き止まり駅での縦列停車は、京阪電気鉄道の淀屋橋駅と、京成電鉄の成田空港駅でも見ることができます。
京阪の淀屋橋駅は、島式ホーム1面3線の構造。ホームの先端に切り欠きを設け、さらに長い線路を1番線と4番線に2分割することで、コンパクトな駅ながらも、最大で4列車が一度に停車できる構造としています。なお、同社の中之島駅も淀屋橋駅に類似した配線となっていますが、こちらは縦列停車には対応していません。
京成の成田空港駅は、島式ホーム2面2線と単式ホーム1面1線の構造。このうち、島式ホームが縦列停車に対応しています。同駅は京成本線と成田スカイアクセス線の2路線の駅となっていますが、両線は同じ会社の路線ながら運賃が異なるため、両線のスペースは改札内で分離されています。島式ホームも中間に柵を設けて分離されており、2・3番線が京成本線、1・4・5番線が成田スカイアクセス線となっています。2番線と4番線、3番線と5番線は、それぞれ線路を共有しつつも信号で分離されているため、縦列停車が可能です。
また、池袋駅などのような行き止まり駅ではありませんが、JR四国の松山駅や、名古屋鉄道の名鉄一宮駅などでも、乗換利便性の向上などを目的として縦列停車を実施しています。