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京急や京成の車両の印象が変わる……かも 屋根上の無線アンテナの話題

2021年8月1日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

京成電鉄や北総鉄道では、車両へのデジタル無線搭載工事を進めています。これによって近い将来、車両の印象が変化するかもしれません。

京成電鉄や北総鉄道、京浜急行電鉄、都営地下鉄浅草線、芝山鉄道では、列車と指令所を結ぶ無線システムに、アナログの「IR無線」(誘導無線)を使用してきました。従来のシステムを更新するために、各社はデジタルの「SR無線」(空間波無線)の導入を進めており、京急では2015年にこれを使用開始。京成と北総鉄道でも2021年4月に使用を開始しています。

京成電鉄などが使用する従来のIR無線は、線路の近くに「誘導線」を設置し、車両の屋根上に設置した大型のアンテナで送受信する仕組みです。新しいSR無線では、携帯電話などと同様、基地局から電波を送受信する方式を使用しており、アンテナが小型のものとなっています。

新しいSRアンテナ(左)と、従来のIRアンテナ(中央・右)
新しいSRアンテナ(左)と、従来のIRアンテナ(中央・右)

2021年7月現在、京成と北総鉄道、都営地下鉄の車両は、デジタル無線設置工事が完了していません。そのため、デジタル無線の使用を開始している各社線では、自社の車両のみデジタルSR無線を使用し、他社局の車両は従来通りのアナログIR無線を使用するという、両者共存の状態。設置工事が完了している京急の車両も、他社局への乗り入れ用として、従来のIRアンテナが残存しています。

SRアンテナの台座のみ設置された7300形(左)、9800形(中央)と、SRアンテナが本設となった9200形(右)
SRアンテナの台座のみ設置された7300形(左)、9800形(中央)と、SRアンテナが本設となった9200形(右)

しかしながら、将来デジタル無線の導入が完了した場合、屋根上の大きなIRアンテナは不要な存在に。外から見ると目立つこのアンテナですが、近い将来、その姿を消すことになるかもしれません。

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