駅はその地域の交通の拠点。ましてや新幹線の駅ともなれば、その地域の玄関口ともなる上、遠く離れた地でも駅名が放送され、知名度向上に繋がります。そのため、もともとあった在来線駅に併設する場合でも、新幹線駅開業時に駅名を改称した例が、新倉敷駅(旧:玉島駅)やいわて沼宮内駅(旧:沼宮内駅)など、全国各地で見られます。
一方、新幹線の駅の開業後に、その駅名を改称した例は、意外にも1つのみ。山陽新幹線の新山口駅です。
新山口駅は、山口県山口市の小郡地区(かつての小郡町)に所在する駅。1900年に小郡駅として開業し、1975年の山陽新幹線開業時にも駅名はそのままでした。
小郡駅から新山口駅へと駅名を改称した理由は、「のぞみ」の停車を実現するためのものだといいます。「のぞみ」の小郡駅停車を求めた周辺自治体に対し、JR西日本は駅名の改称を提案。これが受け入れられ、2003年の「のぞみ」が同駅への停車を開始したダイヤ改正にあわせ、駅名が新山口駅に変更されました。