JR東海が開発した新幹線車両は、1992年デビューの300系、1999年デビューの700系、2007年デビューのN700系(N700Aを含む)と続き、そして最新型である2020年デビューのN700Sで4世代目を迎えています。
最高時速の引き上げや、環境性能の改善など、着実に進化を続けてきた東海道新幹線の車両。それでは、300系とN700Sで、編成定員はどれくらい変化したのでしょうか?
答えは(ほぼ)同じ。デビュー時の300系から、最新のN700Sの初期に製造された編成まで、定員は1323人で統一されていました。
その理由は、ダイヤが乱れた際などに編成を交換しても座席番号を変える必要がないようにするため。たとえば、300系に車両故障が発生した場合でも、座席配置は統一されているので、N700系へ車両を変更しても発売済み指定券の番号を変える必要がなく、効率的な運用が実現できました。
この1323席の例外は、1997年から2010年まで東海道新幹線に乗り入れていた500系。この車両は、先頭車の定員が他形式より少なく、中間車の定員を増やしバランスを取ったため、編成定員は1324人となっていました。ただし、座席配置の違いによる不都合があったためか、300系引退よりも早い2010年に東海道新幹線直通運用からは撤退しています。
そんな東海道新幹線の編成定員ですが、N700Sのうち2021年4月より導入されている車両では、定員が1319人へと減少しています。これは、車内の車いすスペースを増設し、一般座席を削減したため。既存車両の改修は実施しないということですが、東海道新幹線の編成定員=1323人という300系以来の伝統は、変化を迎えることとなります。