9月4日、京阪電気鉄道の5000系が営業運転を終了しました。
5000系は、1970年にデビューした車両です。この車両の特徴は、同社の一般車両が1両あたり片側3扉を基本としているところ、ラッシュ時対策として5扉と扉数を増やしたこと。乗降できる場所を増やすことで、ラッシュ時の乗り降りにかかる時間を短縮する狙いでした。
同じように、一般車両よりも扉を増やした「多扉車」は、関西圏では京阪の5000系のみでしたが、関東では、山手線や埼京線などのJR線のほか、東急田園都市線、東京メトロ日比谷線、東武伊勢崎線、京急線などで見ることができました。
しかしながら、多扉車は扉の位置が一般車両と異なるため、ホームドアの対応が困難になります。関東では、混雑率の低下に加え、ホームドアの整備が進んだことにより、2020年3月をもって多扉車が消滅。京阪でも、5000系より古い車両が今も残存しているものの、こういった理由により、5000系の置き換えが優先されました。
同じようなラッシュ時対策としては、通常よりもドア幅を広げた「ワイドドア」があります。こちらは一旦は製造が取り止められた方式ですが、東京メトロ東西線の最新型である15000系が採用しており、ホームドアと開口部の拡大の両立という観点では、こちらが勝った結果となりました。