ケーブルを掴んで上り下りするケーブルカーは、鉄の車輪と鉄のレールという組み合わせの一般的な鉄道では急すぎる勾配もなんのその。日本では、高尾山や比叡山といった、山間部の観光地で主に活躍しています。
そんなケーブルカーですが、多くの路線では先頭に係員が乗務しています。先頭部だから運転士?と思えますが、実はこの係員は、運転士ではなく車掌なのです。
運転士は、モーターやエンジン、ブレーキを駆使して、鉄道車両を運転する係員。一般的な鉄道路線では先頭部に乗務してこれらの機器を操作するのは、ご存じの通りです。
一方、ケーブルを掴んで動くケーブルカーでは、山上側の駅にケーブルを操作する機器を設置し、ここで運転士が操作することが一般的です。そのため、一般的な鉄道と異なり、車両先頭部に乗り込むのは車掌。この車掌が、ドア操作や緊急時のブレーキ手配といった役割を担っています。