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積み荷は航空機の燃料 鶴見と横田基地を結ぶ「米タン」

2021年10月7日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

機関車がタンク貨車を牽引するという、一見すると、何の変哲もない貨物列車。しかしこの列車、実は米軍向けの燃料を運ぶ列車なのです。

横田基地へ航空燃料を輸送する「米タン」
横田基地へ航空燃料を輸送する「米タン」

通称「米タン」と呼ばれるこの貨物列車は、鶴見線安善駅と青梅線拝島駅の間で運転されており、安善駅付近にある鶴見貯油施設から、米軍横田基地へ航空機燃料を輸送しています。

航空燃料の輸送は、パイプラインや道路輸送環境が整備される以前は、鉄道による輸送が一般的でした。日本では横田基地のほか、百里基地や小牧基地、民間航空業界でも成田空港で、貨物列車によって航空燃料が運搬されていました。しかしながら、これらは次第に別の輸送手段によって置き換えられ、1998年の厚木基地向け輸送廃止以降は、この横田基地向けが唯一の存在となっています。

米タンに使用される貨車は、専用のタンク車が用意されています。このタキ1000形は、見た目は一般の貨物用とほとんど同じですが、側面には燃料の種別を示す「JP-8」のマークが記載されており、それと判別できるようになっています。

米タンに使用される専用の貨車
米タンに使用される専用の貨車

かつては毎日のように運転されていたという米タンですが、横田基地の発着機材が輸送機メインとなった現在は、週に2回程度運転されるのみ。しかしながら、東アジアの安全保障を担う在日米軍を支えるため、今も重要な役目を担っています。

 

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