鉄道コム

鉄道コらム

50歳超えでも若々しい! イケてるオヤジ電車・阪急5000系

2021年11月14日(日) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

テレビを観ていると、若々しい方の実年齢を知ってビックリすることがあります。が、鉄道車両でも、同じようなケースがあることをご存知でしょうか。

たとえば、阪急電鉄5000系。外観はとてもスタイリッシュですが、その製造初年は1968年と、じつは御年53歳の大ベテラン。見た目と実年齢が一致しない、まさに、鉄道界の究極のアンチエイジングといえるでしょう。

本線時代の阪急5000系。ラッシュ時の特急や通勤特急は、まさに花形の運用だった
本線時代の阪急5000系。ラッシュ時の特急や通勤特急は、まさに花形の運用だった

5000系は、神戸高速鉄道の開業で始まった、山陽電気鉄道との直通運転用に開発された車両です。最初は行先表示の看板をぶら下げる、当時の阪急車の標準的なスタイルでした。その後、冷房装置の搭載、行先表示幕の取りつけにともなう前面形状の変更などを経験しますが、2001年頃に車体の大規模更新という、さらなる転機が訪れます。登場から30年が経過した本形式を、今後も長く使うことを考え、接客設備や車体スタイルに大きく手を加えることになったのです。2007年頃に全車両の更新が完了し、デビュー時の姿からは想像できない、現代的なデザインに生まれ変わりました。

5000系のデビュー当時のイメージ(写真は3100系)。原型がこれに近い姿だったとは、にわかに信じがたい
5000系のデビュー当時のイメージ(写真は3100系)。原型がこれに近い姿だったとは、にわかに信じがたい

現在は走り慣れた本線を離れ、8本中7本が6両編成に短縮の上、今津線の西宮北口~宝塚間で運転されています。優等運用での雄姿はもう見られませんが、「まだまだワシも捨てたもんやないで」と、新たな仕事場で元気に活躍しています。

若い者に主役を譲る一方、自分も負けじと若々しいスタイルで奮闘する、そんな姿はまさに、「イケてるオヤジ」。5000系を見ていると、筆者はそう感じるのです。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。