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車内改札でのきっぷ発券業務を減らしたい、JR北海道が採った秘策とは

2021年12月1日(水) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

石勝線のトマム駅は、スキーリゾートの最寄り駅。冬場のスキーシーズンには、国内外から多くの観光客が訪れます。

石勝線の特急列車。冬場にはスキー利用客も多く利用します
石勝線の特急列車。冬場にはスキー利用客も多く利用します

一方、1日あたりの平均乗降人員は40人(2014年のデータ)と、年間を通しての利用者が多くはないトマム駅は、駅員が配置されていない無人駅。そのため、同駅ではきっぷが購入できず、帰りのきっぷを持たずに乗車する人は、車内で車掌からきっぷを購入したり、あるいは到着駅で精算する必要がありました。

平均乗降人員は少ないとはいえ、冬場にはトマム駅から多くの利用がある状況で、車掌が全員に対しきっぷを車内発券するのは大変な労力と時間が掛かります。しかし、極寒冷地の無人駅であるトマム駅では、券売機を設置しても冬期には低気温による故障のリスクがあったといいます。

そこでJR北海道が導入したのが、「QRコード乗車駅証明書」というもの。駅に掲示したポスターをスマホで読み取ると、専用のウェブサイトに接続でき、人数や行先を選択すると、これがトマム駅からの乗車証明書代わりとなります。車内では車掌にこの画面を提示するだけでOK。降車駅では、券売機にQRコードをかざすことで、トマム駅からのきっぷを購入できる仕組みです。トマム駅には機械を設置する必要がなく、車内や駅での精算も自動化できるという、低コストと省人化を両立したシステムとなっています。

「QRコード乗車駅証明書」に対応した券売機
「QRコード乗車駅証明書」に対応した券売機

千葉県の幕張メッセにて、11月24日から26日まで開催された「鉄道技術展」では、JRシステムがこのシステムを展示。ブースの担当者によると、コロナ禍の現時点でも1日あたり40~60人ほどのシステム利用があるということです。

コロナ禍以前のインバウンド需要が旺盛だった頃は、ハイシーズンには1日あたり300人程度の乗車利用があったというトマム駅。海外渡航が復活すると、このシステムの本領発揮となりそうです。

 

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