駅構内のいたるところに国鉄時代の遺構が残る、総武快速線の地下区間。このうち馬喰町駅で、先日、新たな国鉄の置き土産が見つかりました。
トンネル側の壁が撤去され、昔使われていた駅名標が顔をのぞかせています。同駅が開業した1972年に設置したものでしょうか。その後、壁の設置によって見えなくなったものの、当時の遺構は消えていなかったのです。何十年もの時を経たいま、一時的かもしれませんが、再び日の目を見ることになりました。いまなら、JR世代でも最新のE235系車両と、国鉄世代の駅名標のコラボを見られます。令和と昭和の共演を感じるのも、おもしろいかもしれません。
ところで、馬喰町から遠く離れた、大阪環状線の寺田町駅。ここでも以前、昔の駅名標が見つかったことがありました。
これは2015年夏、同駅の改良工事のさい、ホームの広告看板を撤去したときに見つかったものです。しばらくはそのままにされていましたが、JR西日本は、「駅の歴史を物語る重要な史料、そして、環状線を見守ってきた貴重な鉄道遺産である」として、保存を決定します。欠けていた部分の補修と枠の設置が行われ、2016年5月にモニュメントとして公開、現在に至っています。
今回、壁の撤去で見つかった馬喰町駅の昔の駅名標。寺田町駅のように保存されるのか、撤去されるのか、それとも、何事もなかったかのように再び隠されてしまうのか。今後の動きに注目です。