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壁の裏からこんにちは 令和の時代に出てきた国鉄の置き土産

2021年12月7日(火) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

駅構内のいたるところに国鉄時代の遺構が残る、総武快速線の地下区間。このうち馬喰町駅で、先日、新たな国鉄の置き土産が見つかりました。

右側に注目。撤去した壁の裏から、昔の駅名標が見えている
右側に注目。撤去した壁の裏から、昔の駅名標が見えている

トンネル側の壁が撤去され、昔使われていた駅名標が顔をのぞかせています。同駅が開業した1972年に設置したものでしょうか。その後、壁の設置によって見えなくなったものの、当時の遺構は消えていなかったのです。何十年もの時を経たいま、一時的かもしれませんが、再び日の目を見ることになりました。いまなら、JR世代でも最新のE235系車両と、国鉄世代の駅名標のコラボを見られます。令和と昭和の共演を感じるのも、おもしろいかもしれません。

ところで、馬喰町から遠く離れた、大阪環状線の寺田町駅。ここでも以前、昔の駅名標が見つかったことがありました。

昔の駅名標が出てきてすぐの頃の寺田町駅ホーム。最初は右下の部分が欠けていた
昔の駅名標が出てきてすぐの頃の寺田町駅ホーム。最初は右下の部分が欠けていた

これは2015年夏、同駅の改良工事のさい、ホームの広告看板を撤去したときに見つかったものです。しばらくはそのままにされていましたが、JR西日本は、「駅の歴史を物語る重要な史料、そして、環状線を見守ってきた貴重な鉄道遺産である」として、保存を決定します。欠けていた部分の補修と枠の設置が行われ、2016年5月にモニュメントとして公開、現在に至っています。

今回、壁の撤去で見つかった馬喰町駅の昔の駅名標。寺田町駅のように保存されるのか、撤去されるのか、それとも、何事もなかったかのように再び隠されてしまうのか。今後の動きに注目です。

 

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