JR最短の路線は宮崎空港線の1.4キロ。一方で大手私鉄を見てみると、それより短い路線が4つあります。うち1つは1キロ未満とごく短い路線ですが、各駅停車以外の優等列車も不定期ながら走るのが特徴です。
その路線は京王電鉄の競馬場線。京王線の東府中駅から分かれ、隣の府中競馬正門前駅までを結ぶ線で、営業キロは0.9キロです。大手私鉄16社の旅客営業路線の中で、1キロに満たないのは京王競馬場線が唯一。東京競馬場へのアクセス線として1955年に開業した路線で、同競馬場で競馬が開催される時などは、臨時の急行、準特急も走ります。
国土交通省監修「鉄道要覧」に掲載されている「線名」に基づき、大手私鉄で短距離の路線を挙げていくと、2位は東武鉄道の大師線、西武鉄道の豊島線が1.0キロで並び、以下、名古屋鉄道の羽島線(1.3キロ)、南海電気鉄道の高師浜線(1.4キロ)と続きます。6位は名鉄築港線(1.5キロ)、7位は阪神武庫川線(1.7キロ)で、2キロに満たないのはここまで。これらのうち、本線系統との直通列車が乗り入れるケースは、定期列車に限れば西武豊島線、名鉄羽島線の2線で、そのほかは起点と終点の往復を基本とする運用になっています。
各線へのアクセスは難しくはありませんが、注意を要する路線もあります。名鉄築港線は、朝と夕夜間のみの運転。乗りに行く時は、事前に時刻表をチェックすることをおすすめします。南海高師浜線は高架化工事に伴い、2021年5月からバスによる代行輸送を実施中です。