鉄道コム

鉄道コらム

短距離走なら日本一! 阪神ジェットカーのパイオニア「青胴車」

2022年1月19日(水) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

阪神電気鉄道の各駅停車専用車両は、「ジェットカー」と呼ばれています。短い距離の駅間を高速で走れるよう、すぐれた加速・減速の性能を持っており、走る様子がジェット機に例えられたことが由来だそうです。

特急・急行用車両とは性能が大きく異なるため、車体の色でも区別をつけることになりました。1958年の登場時は緑色でしたが、のちにウルトラマリンブルーへ変更。急行系の「赤胴車」に対し、こちらは「青胴車」という愛称がつけられました。

青胴車として最後の生き残りとなった2代目5001形。2022年1月現在では4両編成6本が稼働しています
青胴車として最後の生き残りとなった2代目5001形。2022年1月現在では4両編成6本が稼働しています

その後、車体スタイルの変化を経験しつつも、「各駅停車は青胴車」という時代が30年以上続きました。しかし1995年、阪神淡路大震災復興後の新型車両(5500系)では、新たなカラーリングを採用。ジェットカーとして新たな時代を迎えることになりました。ただし、新型車両も色合いは青色がベースとなっており、「青い車両は各駅停車専用」という伝統は、現在も引き継がれています。

行先表示にサボを使用していた5311形。2010年10月まで見ることができました
行先表示にサボを使用していた5311形。2010年10月まで見ることができました

2010年代に入っても多くの青胴車が運転されていましたが、2015年、新世代のジェットカーとして5700系が登場。これにより置き換えが急速に進み、2022年1月現在では、5001形(2代目)4両編成6本が残るのみとなりました。2023年度までには置き換えが終わり、青胴車は見納めとなる予定です。

阪神の短距離走者のパイオニアとなった青胴車。俊足の伝統を後輩に託し、半世紀以上にわたる歴史に、まもなく幕を下ろします。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道コらム

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。