鉄道コム

鉄道コらム

これで君も鉄道はかせ!

【これで君も鉄道はかせ!】4本足から1本足へ いいことずくめのシングルアームパンタグラフ

2022年3月19日(土) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

「電車が電気を集めるため、屋根の上に載っている菱形の機械はなに?」

というクイズ、一度は聞いたことがあるかと思います。その答えは「パンタグラフ」ですが、最近は4本足の菱形タイプは減り、1本足の「くの字」型が増えています。

1本足のパンタグラフは、「シングルアームパンタグラフ」と呼ばれます。これまでの4本足タイプよりもつくりが簡単で、メンテナンスが楽なこと、軽くて車両そのものの重さを減らせるなどのメリットが多く、使う車両が増えています。

いま流行り?のシングルアームパンタグラフを採用した電車
いま流行り?のシングルアームパンタグラフを採用した電車

また、意外な特長が、「雪に強い」こと。4本足のものでは、積もった雪の重みでパンタグラフが下がって架線から離れ、電車が電気を取れず、動けなくなったこともありました。ですが、シングルアームは雪が積もる部分が少なく、このようなことは起こりにくくなりました。実際、雪対策のため、わざわざシングルアームに変えた車両も多いそうです。

菱形とシングルアーム、同じ編成の中に2種類のパンタグラフが見られることもあります
菱形とシングルアーム、同じ編成の中に2種類のパンタグラフが見られることもあります

じつはシングルアームパンタグラフ、その歴史は意外と長く、1955年にフランスの会社で開発されたのがはじまりです。最初はこの会社の製品がヨーロッパで多く使われていましたが、その後、別の会社でも製造できるようになりました。日本で開発が進んだのは1990年頃で、以降、使う車両が増えていきました。

パンタグラフの方式として、いまや当たり前のシングルアーム。クイズの問題文が、「菱形の機械」から「くの字型の機械」に変わる日も、近いかもしれませんね。

 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

高崎・盛岡に新型気動車

ハイブリッド気動車「HB-E300系」2025年度下期デビュー。八高線や釜石線などに投入。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。