主に北海道、本州、四国、九州、沖縄本島の5つの島から成る日本列島。索道などを除く鉄道路線があるのはこれら5つの島で、そのほかの離島や島々には存在しません。
島を擁する県などでは、島しょ部のみで市、町、村を成すケースも多いため、鉄道ですべての市町村にアクセスできる県なども限られます。市町村合併などを経て数が減ったことから、全市町村に駅がある県がいくつかあるのではないかと調べてみたところ、2021年末時点でそれを満たす県は1つでした。富山県です。
富山県には10の市、4つの町、1つの村があり、それらすべてに鉄道の駅があります。「鉄軌道王国とやま」と呼ぶ側面の1つと言えるでしょう。
県内唯一の村である舟橋村は全国で最も面積が小さい村ですが、富山地方鉄道本線の越中舟橋駅があり、同村には鉄道で行くことが可能。駅が1つという点では小矢部市も同じで、あいの風とやま鉄道の石動駅が該当します。
滋賀県には13の市、6つの町がありますが、近江八幡市の南に位置する竜王町だけは鉄道が走っておらず、駅もありません。1市1駅、1町1駅という例も同県は多く、野洲市、守山市には市名と同じ駅が東海道本線に1つずつ、豊郷、甲良、多賀、愛荘の各町は近江鉄道の駅が1つずつあり、各市町に鉄道でアクセスできます。香川県は、島しょ部の3町を除き、四国本土にある8つの市と6つの町にはすべて鉄道駅が存在します。
路線は通っていても駅がない市町村なども多々ある一方、1市1駅のような市町村も多く、その数は全市町村の1割ほどになります。鉄道で行けるすべての市町村を訪ねる旅というのもテーマとしては面白いと思います。