新車導入が発表された横浜市営地下鉄ブルーライン。この路線では、1972年に開通してから現在までの50年の間に、1000形、2000形、3000形(A、N、R、S、V)が導入されました。3000形各種類は仕様がそれぞれ異なるので別形式として扱うと、今までに7車種が存在したことになります。また、2022年は8形式目となる4000形がデビュー予定。50年間で8車種というのは、少し多い気がしないでしょうか。
実際、同年代に開通した札幌市営地下鉄南北線(1971年開業)は3種類、神戸市営地下鉄山手線(1977年開業)は他社線からの移籍を除くと4種類の車両しか導入していません。
なぜブルーラインは車種が多いのでしょうか。そもそも、車種を増やす、つまり新車の導入はどのようなタイミングで行われるのでしょうか。
札幌、神戸の両路線での新車導入の理由は、開業、延伸、増発、置き換えに分類できます。
札幌市営地下鉄南北線は、2000形(1970年登場)が南北線開業のため、3000形(1978年)が北24条―麻生間の延伸開業のため、5000形(1996年)が2000形置き換えのため登場しました。
神戸市営地下鉄でも、1000形(1977年)が山手線開業時に、2000形(1988年)が北神急行電鉄との直通運転開始のため、3000形(1992年)が利用者増加による増発のため、6000形が1000形置き換えのため導入されました。なお、例外的なケースですが、直通先であった北神急行の7000形が2020年に神戸市交通局に移籍されたため、在籍した車種自体は5種となります。
したがって、延伸や増発のタイミングで新車を導入していることがわかります。
ブルーラインに話を戻すと、同線は1972年に伊勢佐木長者町~上大岡間が開業した後、1976年、1985年、1987年、1993年、1999年と、5回にわけ延伸を繰り返してきました。このうち、開業時と1985年、1993年、1999年の延伸に合わせて、それぞれ1000形(1972年)、2000形(1984年)、3000A形(1992年、当時は3000形)、3000N形(1999年)が新形式として導入されました。
また、鉄道車両の置き換えタイミングは、製造後25~40年とする事業者が多数です。ブルーラインでもおおよそこの時期に合わせ、1000形を置き換えた3000R形(2004年)、2000形を代替した3000S形(2005年)、3000A形置き換え用の3000V形(2017年)・4000形(2022年デビュー予定)が登場しています。
つまり、延伸を繰り返してきたことが豊富な車種と大きな関係があるといえそうです。2022年は3000形シリーズと4000形の6形式活躍するブルーラインに注目です。