新幹線が発着し、人々が絶えず行きかう大阪のターミナル、JR新大阪駅。ここにやってくる列車の多くは近代的なJR世代の車両ですが、その陰でひっそりと、伝統的な国鉄世代の車両が出入りしています。
それが、おおさか東線を走る201系。同線と関西本線(大和路線)の普通電車を中心に運転されており、車両の世代交代が進むなか、いまも現役を続ける数少ない国鉄型車両です。
この201系、もともと東海道・山陽本線(JR京都線・JR神戸線)の普通電車用に導入されたものです。当時はスカイブルーの車体色をまとい、新大阪駅に毎日出入りしていました。その後、新型車両に置き換えられて大阪環状線や関西本線に転属。2008年にはおおさか東線(久宝寺~放出間)での運転も始まりました。そして2019年、同線の久宝寺~新大阪間が全通しましたが、このとき使用車両が変わることはありませんでした。かくして201系は、車体色と走る路線こそ変わったものの、十数年ぶりに新大阪駅へと戻ってきたのです。
しかし、ターミナル駅との再会の日々は、長く続きませんでした。JR西日本では現在、221系の配置転換を進めており、2022年3月のダイヤ改正を機に、おおさか東線の普通電車をすべて同車に変更すると発表しました。関西本線にはまだ残るものの、おおさか東線からは完全に撤退となる201系。これとともに、新大阪駅から2度目の引退を迎えることになります。