今週(1月31日~2月6日)は、新たに整備される新幹線と並行する「並行在来線」のニュースが2本ありました。
2022年秋ごろの開業を予定する西九州新幹線では、長崎本線肥前山口~諫早間が並行在来線となります。1月31日、この区間に対するJR九州の第二種鉄道事業が、国土交通大臣より許可されました。
新幹線開業後のJRの負担増加を防ぐため、北陸新幹線に対するしなの鉄道線のように、並行在来線はJRから経営分離されることが基本です。しかしながら、長崎本線の同区間については、経営分離に難色を示した長崎県との協議の結果、JR九州が一般社団法人の佐賀・長崎鉄道管理センターへ施設を譲渡し、JR九州がこれを借り受ける形での運行とすることに合意。2021年8月31日、JR九州は同区間の第一種鉄道事業廃止を届け出ていました。
西九州新幹線開業と同時に新形態へ移行する長崎本線は、新幹線開業から23年、すなわち2045年ごろまでは、JR九州による運行が続けられる予定です。
一方、同じ並行在来線でも、北海道新幹線と並行する函館本線では、通称「山線」区間である長万部~余市間の廃止が事実上決定しました。沿線自治体の協議によってバス転換を容認する方針となったことで、約120キロの鉄路がおよそ10年後に廃止されることとなります。また、余市~小樽間についても協議が継続しており、こちらも先行きは不透明です。
かつては急行「ニセコ」などの優等列車が運転され、2000年の有珠山噴火時には代替ルートとしても機能した山線ですが、2022年現在は定期列車は普通列車のみとなっており、鉄路を維持できるレベルとは到底言えない状況です。北海道内では、台風による被害を受けた根室本線の富良野~新得間でもバス転換容認の姿勢となっており、道内の鉄道はますます厳しい局面を迎えています。