先週末の2月5日に、JR東日本の燃料電池車両FV-E991系「HYBARI」が出場するなど、新技術の話題が多かった今週(2月7日~13日)。今回は新技術に関するニュースをお伝えします。
JR北海道は9日、長期環境目標「JR北海道グループカーボンニュートラル2050」の策定を発表。脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一つですが、この一環として、水素を活用した燃料電池車両の導入が盛り込まれました。
燃料電池車両は2022年現在未だ開発段階。JR東日本では2006年以降に実車での試験に着手し、2022年からは先述したFV-E991系での試験に取り組みます。まだまだ試験段階ではある技術ですが、すでに自動車業界では、トヨタ自動車の燃料電池自動車「MIRAI」や燃料電池バス「SORA」が活躍中。排出物が水だけとなる水素燃料電池は、まさに夢の動力源ともいえ、早期の実用化が待たれます。
そのJR東日本では、「ドライバレス運転」に向けた取り組みを発表。京浜東北線では障害物自動検知システムの、山手線では日中帯における自動運転システムの、それぞれ試験運転を実施する計画です。
京浜東北線で試験する自動検知システムは、スバルが自動車向けに展開している運転支援システム「アイサイト」の鉄道版と言えるもの。アイサイト同様にステレオカメラで障害物とその距離を認識するというシステムです。自動車用よりも遠方の距離判定を可能としたほか、揺れの少ない画像を取得することで、鉄道用に適したシステムを構成したといいます。
山手線での試験は、ATO(自動列車運転装置)を営業時間帯に他の列車が前後を走行する環境で実施するもの。2018年には終電後の深夜に試験を実施していましたが、今回は実際の導入時と同じような環境でのテストとなります。