鉄道コム

鉄道コらム

これで君も鉄道はかせ!

マクラギは傷ついて強くなる!? 木製マクラギのヒミツ【これで君も鉄道はかせ!】

2022年7月23日(土) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

線路を見ると、レールとは垂直の方向に、マクラギが置かれています。その役割は、列車がレールの上を通過するとき、その重さを広い範囲に散らすこと。最近はコンクリート製の「PCマクラギ」が増えていますが、木でできたマクラギも、まだ多く見かけます。

その木製マクラギを見ると、細かい傷がたくさんついていることがわかります。見た目はもうボロボロで、簡単に壊れてしまいそう。大丈夫か、と気になるところですが、ノー・プロブレム。木製マクラギは、傷だらけの姿こそが正しいのです。

傷だらけの木製マクラギ。ひどく傷んでいるようにも見えますが……
傷だらけの木製マクラギ。ひどく傷んでいるようにも見えますが……

木製マクラギはコンクリート製に比べて傷みやすいため、防腐剤を入れています。このとき、マクラギ表面に傷をつけることで、防腐剤が入りやすいようにしているのです。つまり、この傷は、防腐処理を施した跡。いわば、一人前(?)のマクラギになった証なのです。この加工により、マクラギとして7年~15年使えるのだとか。なお、役目を終えた木製マクラギはチップ状にし、バイオマス燃料として活用することもあるそうです。

傷が入る前、半人前(?)の木製マクラギたち
傷が入る前、半人前(?)の木製マクラギたち

ちなみに、木製マクラギの材料は、栗がよく選ばれているそうです。これは、栗が硬く頑丈で、水や湿気に強い性質を持ち、雨ざらしの環境で重い列車を支えるのに適しているからとされています。それでも傷をつけて防腐処理をするのは、少しでも長く使えるようにするため。傷ついてこそ、強くなれる!傷は強さの勲章だと考えると、マクラギがカッコよく見えてきませんか?

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。