電車が走るための電気を取り入れるための部品といえば、パンタグラフです。このパンタグラフは、走るために欠かせない機器のため、車両基地から出庫する際、あるいは駅で留置されていた車両が運用に入る際など、限られた場面でしか動く様子を見ることはできません。
とはいえ、車両基地や始発電車の発車前以外でも、日常的に動く様子が見られる駅があります。
その一つは、東北新幹線の東京駅。「はやぶさ」などで活躍するE5系・H5系と、主に「こまち」で運転されるE6系は、パンタグラフは編成に2基搭載していますが、走行時には編成の後ろ寄りのパンタグラフ1基のみを使用しています。そのため、この3形式が折り返す際には、2つのパンタグラフを上げ下げする様子が見られるのです。
E5系・H5系とE6系のパンタグラフが動く様子は、東京駅のほか、新函館北斗駅や秋田駅など、各形式が折り返す駅で見ることができます。
もう一つは、JR東西線の京橋駅と尼崎駅。JR東西線を走る207系と321系は、学研都市線やJR神戸線、JR宝塚線では、1両あたり1基のパンタグラフのみ使用します。しかし、JR東西線内では、他の路線と架線のタイプが異なるため、パンタグラフを1両あたり2基上げる必要があります。そのため、この2駅でパンタグラフの上昇・下降を見ることができるのです。