京急線の駅や線路わきで、黄色くて短い、屋根のない電車の通過を見たこと、ありませんか?赤い車両が多い京急線に現れた謎の黄色い車両に、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。彼はいったい、何者なのでしょう。
彼の正体は、「デト11・12形」。鉄道用資材を運ぶ電動貨車で、週に2回、神奈川新町(新町検車区)~金沢文庫(金沢検車区)~久里浜工場間で荷物を運んでいます。お客さんを乗せない特殊な車両が、週に2度も決まった時間に走るのは、全国的にも珍しいことです。
ただ、彼の走る時間を知らない人が見ると、「珍しい電車を見た!」と、やはりトクした気分になるのでしょう。1977年に公開された映画「幸福の黄色いハンカチ」をモジり、いつの間にか「しあわせの黄色い電車」と呼ばれるようになりました。そして、この呼び名が、京急線を中心に1本だけ走っている特別塗装車両「イエローハッピートレイン」につながったのです。
この電動貨車、ほかに「デト17・18形」がいますが、荷物を運ぶのは基本的に11・12形。17・18形は、事故現場などに復旧道具などを運ぶ「救援車」の役目があり、普段は姿を見せません。
電動貨車が走るのは、月曜と木曜の昼間(祝日の場合はお休みです)。イエローハッピートレインとともに、出逢った人たちに「しあわせ」という荷物を届けてくれるでしょう。あなたも京急線へくり出し、小さなしあわせに会いに行きませんか?
【4月28日追記:一部表記を修正しました】