長野電鉄で活躍してきた3500系電車が、4月1日以降、「半引退」状態となっています。
3500系は、同社が1992年より導入した、2両編成の中古車両です。もとは営団地下鉄(現:東京メトロ)日比谷線で3000系として活躍していた車両で、その外観から「マッコウクジラ」という愛称も付けられました。長野電鉄では、3両編成の3600系とあわせて17本を導入し、一般列車の主力車両として運用。しかし、もとは1960年代に製造された車両のため、次第に老朽化が進行。順次置き換えが進められていました。
そして2020年には、新たな中古車両である3000系が営業運転を開始。3500系は置き換えが進められ、2022年3月31日のN7編成の引退で、残るはN8編成1本のみとなりました。このN8編成は、今後も現役で残る一方、長野電鉄では「2022年4月1日以降、当面の間使用しません」としています。車両の籍は残るものの、しばらくは万が一の際の予備車として扱われるようです。
なお、3500系の完全置き換えに向けて導入された3000系は、もとは日比谷線を走っていた03系を改造したもの。つまり、同じ車両による置き換え劇が、場所を変えて再び展開されたのです。
ところで、長野電鉄では元東急の8500系も活躍していますが、こちらも2028年度までに置き換えが進められるとの報道がなされています。今後しばらくは、長野電鉄の車両動向が注目されます。