東北新幹線が、3月の地震による被害から、1か月弱での全線再開にこぎつけたのは4月14日。そんな今週一週間(4月11日~17日)の中で話題となった鉄道ニュースから、鉄道コム注目の話題をご紹介します。
東北新幹線の早期の運転再開は、まさに関係者の努力のたまもの。高架橋が破損し、車両脱線という被害も受けながらの迅速な再開には、日本の鉄道マンの誇りが感じられます。一方で、運転再開を目前とした4月13日には、東北新幹線の指定券予約受付を再開したこともあってか、JR東日本のネット予約サイト「えきねっと」がダウン。数日間にわたってアクセスしづらい状況が続きました。
JR東日本に限りませんが、鉄道各社では近年駅窓口を削減する傾向にあり、オペレーター対話型の券売機やネット予約への誘導が強化されています。しかし、今回のえきねっとがダウンした際には、多くの利用者が駅窓口へ殺到。大行列となったことがSNSなどで報告されました。
JR西日本では11日、「ローカル線に関する課題認識と情報開示について」として、同社管内のローカル線の営業成績などを発表。地元を中心に大きな波紋を起こしました。
今回発表された数値は、2017年度から2019年度にかけてのもの。2019年度で輸送密度が1日2000人を下回る路線が対象ですが、いずれも収支率(収入を費用で割ったもの)は30%以下と、厳しい状況です。特に同期間中の芸備線東城~備後落合間では、収支率は0.4%。100円稼ぐために経費がいくらかかるかを示す営業係数は2万5416、つまり100円稼ぐのに2万5000円近く要するという、驚きの数値が示されました。
JR西日本はこの数値のみで路線を廃止するという動きに出るわけではありませんが、この状況を放置していれば同社の存続を左右する事態に繋がりかねません。当然自治体からは反発の声が上がっていますが、鉄路を残すためにはどのような支援策が必要なのか、あるいは鉄路を残すことが本当に必要なのか、といったことを考える時期に差し掛かっているといえるでしょう。