2021年12月に発売されたニコンのフラッグシップミラーレスカメラ「Z 9」。鉄道コム編集部でもこの最新機種を借りることができ、鉄道写真の撮影を敢行しました。
Z 9は、ニコンの技術を総結集して作り上げたカメラ。従来の同社ミラーレスカメラはもとより、デジタル一眼レフカメラをも超える性能を有しています。
オートフォーカス(AF)の性能は大幅に向上し、さらには被写体検出機能も搭載。これまでのカメラも可能だった人物認識のほか、動物、そして乗り物の認識も可能に。完全にカメラ任せで新幹線を撮影したのですが、ピッタリと追従するその性能には驚くばかりでした。ちなみに、飛行機にレンズを向けた場合には、AFポイントはコックピットの窓に照準。筆者は試していませんが、モータースポーツの撮影でも威力を発揮するそうです。
電子ビューファインダー(EVF)の高性能化も特徴です。Z 9のEVFはブラックアウトフリーの「リアルライブビューファインダー」となっており、被写体を追い続ける際にブラックアウトで見失うことがありません。また、連写性能は秒間20コマで、筆者のようなヘタクソカメラマンでも「数撃ちゃ当たる」戦法で狙う「流し撮り」の成功確率が大幅に向上します。
欠点を挙げるとすると、2022年4月時点の品薄状態と、ボディサイズの大きさや60~70万円という価格でしょうか。とはいえ、品薄についてはともかく、サイズや価格は最上級機としては標準的なもので、むしろボディは従来の一眼レフフラッグシップ機よりも小型化されています。グリップ性も上々で、逆に筆者の私物である「Z 6II」の握り心地に物足りなさを覚えるほどでした。
手軽に購入、という価格の製品ではありませんが、それでもその性能は値段以上。特にミラーレスカメラに不安を抱いているニコンユーザーにオススメしたい製品です。