少子化が進み、日本では子どもの人数が減りつつあります。経済面、心理面など、様々な問題が絡み合っているものと思われますが、子育てへの負担感が大きい環境になっていることは事実でしょう。
そんななか、この環境にメスを入れようとする鉄道会社が現れました。小田急電鉄です。2021年11月に「子育て応援ポリシー」を策定し、翌2022年3月のダイヤ変更を機に、本格的な取り組みが始まりました。
とくに人々を驚かせたのが、「小児運賃全線50円均一化」。ICカード利用時に限られますが、50円という破格の均一運賃は、全国的にも初の試みです。子どもにもお出かけを楽しんでもらうことが、その大きな目的とされています。
もうひとつ印象的なのが、「子育て応援車両」の設定。「子ども連れの乗客を温かく見守ってほしい」と、周囲の乗客に協力を促すべく導入されました。2021年に一時期、試験的に走った「子育て応援トレイン」を、本格的に導入した恰好といえます。ちなみに、車内の仕様に変化はなく、運賃だけで誰でも乗れます。
祖父母のいない核家族が多いいま、子育ての負担はどうしても、お父さん、お母さんに集中します。その負担を分け合えれば、社会が子育てをもっと受け入れてくれれば、これほど心強いものはないでしょう。子育てを楽しく、そして、応援できる沿線へ。小田急電鉄が、新たな施策に挑みます。