政令指定都市にある駅では、区の境界がホームや線路際のごく近くにありながらも、そのほとんどが1つの区に収まっている駅があります。駅の外に出て少し歩けば隣の区というのが今回紹介する例で、政令指定都市や特別区にあるJRの駅で見ると、鶴舞駅、札幌駅、綾瀬駅がその点で同じ。隠れた共通点と言えるでしょう。
中央本線の鶴舞駅は、名古屋市中区千代田にある駅で、駅全体が同区内に入っています。ただし、線路の東側の道路が昭和区との区境になっているため、その側に出るとすぐに隣の区。駅名になっている鶴舞は、いずれも昭和区の地名です。
札幌駅は、東西に広がるホーム、線路のいずれも札幌市北区の中にあります。区境は線路南側にあり、JRタワーなどの駅直結の施設は中央区です。北海道新幹線の延伸開業時は、創成川を越えてホームなどが整備される予定なので、北区と東区にまたがる駅になります。
常磐線の綾瀬駅は、常磐快速線の南側に区境があります。駅自体は東京都足立区にありますが、駅の南側に出ればすぐに葛飾区。綾瀬駅は、都区内の駅で線路際の至近に境界がある好例と言えます。
これらのほかにも、桃谷駅、堺市駅、天神川駅、城野駅など今回の条件に合うJR駅は、全体で少なくとも16駅ありました(区の境界線がホームや駅舎にかかり、駅の場所によって区が異なるケースは除く)。
市町村の境界線に範囲を広げれば、より多くの駅が該当するでしょう。駅の立地に着目して、それらの境界線を探ってみるのも楽しいと思います。