気温が上がり、エアコンが恋しい時季になってきましたね。そんな季節に鉄道を利用するときに気になるのが、「弱冷車」の存在ではないでしょうか。
弱冷車は、冷房効果を弱めにした(設定温度を高くした)車両で、ある程度の長さがある列車の多くで導入されています。たとえばJR西日本では、近畿・広島地区は4両以上、金沢・岡山地区は3両以上の列車に設定があります。利用者の体質などに配慮した結果なのですが、この弱冷車、一般の車両との温度差がどれほどあるのか、ご存知ですか?
会社にもよりますが、その差は1~2度。数字上はわずかですが、温度に敏感な人には、この少しの違いは大きいようです。
弱冷車は1984年、京阪電気鉄道で初めて導入され、その後、民営化後のJR各社などにも広まりました。導入以降、「冷房のせいで車内が寒い」という苦情は減った一方、「弱冷車が暑い」という意見も出ています。このため、会社によっては、混雑時は弱冷車を取りやめるなど、柔軟に対応するケースもあるようです。
ちなみに、設定温度を1度上げると、消費電力を10~13パーセント節約できるとされています。東日本大震災で原子力発電所が被害を受けた2011年には、節電への協力のため、全車両のエアコンの設定温度を弱冷車と揃えた鉄道会社もありました。今年2022年も何日か、節電の要請が出されています。各社がどのように対応するか、要注目です。