鉄道コム

鉄道コらム

令和に残る、レトロな風の戦士 車内に扇風機がある電車 in 首都圏

2022年5月29日(日) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

鉄道では、車両の冷房の作動とともに、その空気を全体に行きわたらせるための送風機を動かすことが多くなっています。最近の車両では、「ラインデリア」などと呼ばれる装置が冷房とともに装備され、その送風口が動くことで、冷気を広範囲に送っています。一方、古めの車両では、天井に扇風機を取りつけ、それを送風機としている車両もあります。

電車の天井に残る扇風機
電車の天井に残る扇風機

2022年5月現在、首都圏エリアの鉄道で扇風機を持つ車両は、東急8500系8631編成、京成・芝山鉄道3500形、京成3600形、江ノ島電鉄1000形の一部、小湊鉄道キハ200形など。新型車両との入れ替えも進み、見られる車両はかなり限られてきています。

東急8500系8631編成。東急最後の扇風機残存編成となりました
東急8500系8631編成。東急最後の扇風機残存編成となりました

冷房搭載車両が少なかった頃、非冷房車の多くでは、天井で扇風機がくるくると回っていました。車内の熱気をかき回すだけの存在が、やがて冷気の拡散に役目を変え、いま、その姿を徐々に消そうとしている状態です。車両そのものはもちろんですが、こうした設備面でも、世代交代は確実に進んでいるのです。

今年も気温が上がり、冷房が作動する日も増えてきました。わずかに残った扇風機の活躍も、あといかばかりか。最新機種より効きは悪いかもしれませんが、快適な車内環境づくりのため、懸命に回り続けた扇風機。この夏、そんな愛すべき風の戦士たちに、会いに行ってみませんか?

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

京成の新型車「3200形」詳細

実は「ギリギリ」な設計だった? 京成電鉄の新型車両「3200形」を深掘りします。

画像

西武山口線に新型車

4両編成3本を2025年度~2027年度に順次導入し、8500系を代替。デザインは各編成別。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。