東京の渋谷を拠点に、横浜方面へ根を張る東急電鉄。現在は8500系の引退が話題ですが、その裏で、次の置き換えが計画されています。そのターゲットは、大井町線の9000系。
9000系は1986年、東急初の本格的なVVVF制御車として投入されました。先頭部は平面的な切妻スタイルとしながらも、ライト類を四角形にする、正面の貫通扉を中央からずらすなど、従来の8000系列とは一線を画すデザインが採用されました。東横線に14本、大井町線に1本が配置されましたが、東横線の東京メトロ副都心線乗り入れを機に、全車両が大井町線に集結。現在は、同線の各駅停車で主力を担っています。
8500系8631編成が5月に引退したことで、2022年6月27日現在、9000系9001編成が、東急の現役最古参となりました。現在も第一線での運用が続いていますが、寄る年波には勝てないようです。2022年1月発表の東急線運賃改定申請のプレスリリースにて、「大井町線で新型車両への置き換えを実施」することが書かれています。置き換える車両は明記されていませんが、対象はおそらく9000系と考えられます。新型車の形式や置き換えの時期、兄弟車の9020系(2000系の改造車)の今後など、まだ不明な点も多いですが、現在の大井町線の顔ぶれは、おそらく長くないのでしょう。
旬な話題の裏で、9000系にも忍び寄る引退の影。全編成が健在のいまだからこそ、会いに行くべきなのかもしれません。